議事録をAIで次の作業につなげる|決定事項を宿題にする4つの手順

結論から言うと、議事録は作って終わりにせず、「当社の約束」と「先方にお願いしたこと」を抜き出して、期限つきの宿題に変えるところまでを1つの流れにすることです。抜き出しはAIに任せ、期限と担当の確定は人が行い、宿題は毎朝見る一覧に入れて、次の打合せの前に見返します。

AIで議事録を作る会社は増えましたが、「議事録はあるのに、決まったことが進んでいない」という声もよく聞きます。この記事では、当社が取引先との打合せのあとに行っている手順と、やってみて気をつけるようになった点を紹介します。

議事録が「作って終わり」になる理由

議事録があっても宿題が漏れるのは、議事録が「話した順の記録」だからです。決まったことや宿題は、雑談や検討の途中経過の中に散らばっています。次の打合せの直前に開いても、どれが自分の宿題で、いつまでだったかを探し出すのに時間がかかります。

もう1つの理由は、議事録の置き場所が、ふだんの仕事の管理と別になっていることです。議事録は共有フォルダ、案件の管理は別の表、という状態では、議事録の宿題が管理表に移されないまま埋もれていきます。

手順1:打合せの議事録を自動で残す

当社はオンラインの打合せでは、Google Meetの「自動メモ生成」で議事録を残しています。Googleのヘルプによると、この機能は次のように動きます。

  • メモはGoogleドキュメントとして、会議の主催者のGoogleドライブに保存される。共有する範囲は主催者が選べる
  • メモには「概要」「決定事項」「次のステップ」などのセクションがある。ただし決定事項などのセクションは、日本語ではベータ版の利用者に限られる
  • 日本語に対応している。1回の会議で使えるのは1つの言語だけ
  • 使うには、対象のGoogle Workspaceのエディションか、Google AIのプランへの登録が必要
  • 機能を開始すると、参加者に自動で通知される

注意したいのは、ヘルプにも「要約は不完全または不正確な場合がある」と書かれていることです。15分未満の会議ではメモが作られないなどの条件もあります。議事録はあくまで材料で、金額・数量・期限のような大事な数字は、あとで必ず確かめる前提で使います。

手順2:AIに「約束」と「お願い」を抜き出させる

打合せが終わったら、議事録をAIに読ませて、次の3つに分けて抜き出させます。当社ではClaude Codeを使っていますが、議事録の文章を渡せるAIなら同じことができます。

  1. 当社の約束:こちらがやると言ったこと
  2. 先方にお願いしたこと:先方がやると言ったこと、こちらが頼んだこと
  3. 決まったこと:仕様・方針・日程など、宿題ではないが記録に残すこと

抜き出させるときは、次のように指示しておくと、使える形で返ってきます。

  • 「誰が」を必ず書かせる:主語のない宿題は、誰も手をつけません
  • 期限が言われていないものは「期限未定」と書かせる:AIに「来週中なら金曜だろう」と推測させない。期限は人が決めます
  • 「検討します」は確認事項に回す:やるのか・やらないのかがはっきりしない発言は、宿題にせず「次回確認すること」に入れる
  • 議事録に無いことは書かせない:抜き出しは議事録の範囲だけ。足りない情報は「不明」と書かせる

たとえば、次のように変わります(架空の例です)。

議事録の中の発言抜き出した宿題人が確定すること
「図面の改訂版は金曜までにお送りします」(先方)先方の番:改訂版の図面の送付(期限:金曜)日付を書き入れる
「見積は改訂版をもらってから出しますね」(当社)当社の番:見積の提出(期限未定・図面の受領後)図面の受領から何日で出すか
「材質の変更は社内で検討します」(先方)次回確認すること:材質の変更の有無次の打合せの議題に入れるか
「試作は10個で進めましょう」決まったこと:試作の数量は10個数量を元の発言で確かめる

手順3:取引先ごとの記録に、期限つきで入れる

抜き出した内容は、議事録のフォルダに置いたままにせず、取引先ごとのふだんの記録に入れます。当社では、「打合せで何が話されたか」は取引先ごとの経緯の記録に追記し、宿題は取引先ごとの「いまの状態」の記録に、当社の番・先方の番として期限つきで書き込みます。経緯の記録には、元の議事録の場所も書いておき、あとで発言を確かめられるようにしています。

この書き込みもAIに任せ、人は「期限と担当はこれでよいか」だけを確認します。宿題が議事録から管理の場所へ移ることで、初めて「誰かが追いかける対象」になります。

手順4:毎朝の一覧と、次の打合せ前に見返す

取引先ごとの記録に入った宿題は、当社では毎朝見る一覧に、期限を過ぎたもの・期限が近いものとして出てきます。打合せの前には、その取引先の記録を1画面で開き、前回の宿題がどうなったかを確かめてから臨みます。

前回の宿題を打合せの冒頭で確認するだけで、「あの件、どうなりましたっけ」という時間がなくなります。先方の番で止まっているものも、責める形ではなく「前回のお話の続き」として自然に聞けます。

やってみて気をつけるようになったこと

文字起こしに、パスワードが入ることがある

打合せの中で、ホームページの管理画面やメールの設定を一緒に確認していると、パスワードや認証コードを口に出す場面があります。それがそのまま文字起こしに残ることがありました。当社では、議事録から記録へ転記するときに、パスワード・認証コードは書き写さないルールにしています。AIに抜き出させるときにも、「認証情報は転記しない」と指示に入れています。議事録をAIに渡すときの情報の扱い全般は、AIに売上や顧客情報を入れていい?情報の種類別の判断表にまとめています。

対面の打合せは、記録が抜けやすい

訪問や対面の打合せでは、自動の議事録が残りません。オンラインの打合せがきちんと記録される分、対面の回の宿題だけが漏れやすくなります。対面の打合せのあとは、帰りの移動中などにすぐ要点を書き留め、その走り書きをAIに渡して、手順2から同じ流れに乗せるようにしています。

AIに議事録そのものを書き換えさせない

議事録は、あとで発言を確かめるための元の資料です。抜き出しや整理は別のファイルで行い、元の議事録には手を入れません。AIに画面を操作させて議事録を編集したときの当社の失敗は、製造業の業務自動化はAIでどこまでできるか|3つの段階で紹介しています。

製造業の打合せに当てはめると

この流れは、取引先との打合せだけでなく、社内の会議にも使えます。

打合せ拾いたい宿題の例入れる先
客先との仕様打合せ図面の改訂、材質・公差の確認、見積の再提出取引先ごとの記録(当社の番・先方の番)
社内の品質会議不良の原因調査、対策書の作成、作業手順書の改訂案件ごとの記録(担当者と期限)
朝礼・工程会議段取り替えの順番、材料の手配、設備の点検その日・その週の作業一覧

どの会議でも、「誰が・何を・いつまでに」の3つがそろった形で記録に入れば、議事録は次の作業につながります。

よくある質問

Q. Google Meet以外の会議ツールでも同じことができますか?

手順2以降は、議事録の文章さえあれば同じです。会議ツールの記録機能で作った議事録でも、手で書いたメモでも、AIに渡して抜き出させることができます。

Q. 取引先との打合せで議事録を取るとき、気をつけることは?

Google Meetの自動メモ生成は、開始すると参加者に通知されます。そのうえで、打合せの冒頭に「議事録を取らせていただきます」と一言お伝えしておくと安心です。取引先の社内ルールで記録を控えてほしいと言われたら、その打合せは手でメモを取り、対面のときと同じ流れで記録します。

まとめ:議事録は、宿題に変えて初めて役に立つ

議事録を次の作業につなげるには、AIに「当社の約束」「先方へのお願い」「決まったこと」を抜き出させ、期限と担当を人が確定し、取引先ごとの記録に宿題として入れます。宿題は毎朝の一覧と次の打合せ前に見返します。認証情報は転記しない、対面の回は自分で要点を書き留める、元の議事録は書き換えない、の3点を守れば、安心して続けられます。

当社では、製造業のお客様向けに、AIに任せる業務の選定から、議事録や案件の記録の仕組みづくり、社内への定着までをAI活用支援として行っています。「議事録はあるのに宿題が漏れる」という段階のご相談も歓迎です。お問い合わせはこちらから。

Claude Codeの記事はClaude Code 活用ガイドにまとめています。

参考文献

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よくある質問

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